生殖補助医療(ART)とは

不妊治療は大きく分けて2つあります。
ひとつは一般不妊治療、もうひとつが今回説明する生殖補助医療となります。

一般不妊治療は、タイミング法や人工授精のことを指します。

 

生殖補助医療(ART)とは

生殖補助医療(ART Assisted Reproductive Technology)とは、体外で卵子と精子を受精させて受精卵を女性の子宮内に戻す体外受精をはじめとして、高い技術により不妊症を克服しようとする方法の総称です。

主なARTとして挙げられるものは、

・体外受精
・胚移植法(IVF-ET)
・顕微受精(ICSI)
・胚の凍結保存と融解移植

などです。
ARTの適応となる対象は、一般不妊治療ではなかなか妊娠できない男性不妊、子宮内膜症、排卵障害、卵管閉塞、原因不明不妊など広く用いられており、まずは基本的に一般不妊治療からスタートし、その状態に合わせてステップアップという形でARTに移行することとなります。

 

採卵誘発方法には色々な方法があります

まず採卵に関してですが、排卵誘発方法には様々な種類があります。
低刺激から中刺激といわれるものとして、完全自然周期、クロミフェン、セキソビッド、フェマーラ、タモキシフェン、エストロゲンリバウンドなど、基本的にあまり薬での刺激は行わず、自然な形で誘発をする方法です。

次に高刺激法として、ショート法、ロング法、アンタゴニスト法などが挙げられます。

ショート法

月経開始から3日目よりGnRHアゴニスト点鼻薬で排卵を抑制するのと同時にhMG/rFSHの注射を行っていきます。使用される薬はロング法と同じですが、点鼻薬を使い始める周期が採卵周期からと短くショート法といわれています。

ロング法

採卵予定周期の前の周期から、GnRHアゴニスト点鼻薬を使用し、自然な排卵を抑えながら卵子を成熟させます。そして採卵周期を迎えるとGnRHアゴニスト点鼻薬を継続しつつ、3日目から11日目前後までhMG/rFSHの注射して排卵を促し、14日目頃に採卵が行われます。

アンタゴニスト法

生理3日目から10日頃まで排卵誘発のためにhMG/rFSHの注射を行います。成熟前に排卵するのを防ぐために、一時的に排卵を抑制するアンタゴニスト製剤を投与しコントロールを行いながら採卵へと向かいます。
高刺激の場合には、すべて注射が必要となり自己注射の指導を受け、自宅で行うか連日通院をし注射するのかなど、費用面や患者自身にかかる負担も大きいです。

受精 複数の方法があります

しかし高刺激になると、1回の採卵で多くの卵子を取り出すチャンスもあるため広い視野で誘発方法を決めていく必要があります。
次に採卵が終了したところで精子と卵子を受精させますが、その方法にも大きく2つの方法があります。

まず体外受精は、採卵した卵子に精子をふりかけ、精子自身の力で卵子に入り込ませる方法です。
ふりかけと呼ばれることがあります。

次に顕微受精は、細い針を用いて卵子に直接1匹の精子を注入する方法です。
どちらを選択するかは、精子の状態なども考慮され選択されることとなります。

 

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胚移植も複数の方法があります

そして受精卵を子宮に戻す胚移植に関しても様々な方法が存在します。

1つ目に新鮮胚移植(分割胚移植)があります。
体外受精で受精した受精卵を2~3日程度培養し、4~8分割した初期の胚を子宮に戻す方法です。

2つ目に胚盤胞移植があります。
こちらは受精卵を5日程度培養し、胚盤胞といわれる状態にしてから戻す方法です。

3つ目に凍結融解移植があります。
近年では上記で挙げたような移植方法を、凍結技術を使って行うことができるようになりました。
特に採卵などで体にダメージがある場合には、一旦培養した胚を凍結保存し、状態が落ち着いたところで融解し移植することとなります。
内膜が薄くてすぐには移植できないような状態の時にもこの方法を用います。
以上のように採卵から受精方法、移植法とARTの種類も様々ですが、その中の治療は更に多くの方法が存在します。
そのため、自分の体に合った治療法を選択することが重要といえます。


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